冷え性とは手や足先、お腹、膝、太もも、首肩など、冷えている感覚が自覚される状態です。寒い季節だけでなく、1年を通して悩まれている方も多く、特に女性の方が多いです。

 冷えは万病の元と言われている通り、様々な病気や不調の原因にもなっています。当院に来院される方は自律神経失調症や更年期障害、不眠症、不妊症、肩こり、腰痛など様々ですが、冷え性を一緒に訴える方がほとんどで、そのぐらい冷え性が密接に関係しているとも言えます。

 当院では数ある鍼灸施術の中でも冷え(生命力の低下)の解消に力をいれている施術法です。カウンセリングで現在の冷えの状態から、過去の病気や事故、食生活や睡眠の状態などを確認し、冷え性になった原因を探し、食生活や睡眠の観点からもアドバイスしています。

 長年冷え性でお悩みの方は、冷えているところを温めても一時的に温まるだけで、すぐ冷えてしまいます。あくまでも体の芯を温めることを目的にしています。体の芯が温まると全身の血液の流れがよくなるので、体がポカポカしてきます。よく鍼灸施術で背中に鍼を当てていると「足に血液が流れてくる感じがする」と言われたり、汗をかく方がいらっしゃいます。そのような状態が体の芯が温まり血液の流れがよくなっている状態です。足を直接温めなくても温まってきます。またその場で温まらなくても、時間差で温まってくる方もいらっしゃいます。

 気をつけなければいけないことは、お風呂です。お風呂は体が温まると思われがちですが、その場では温まっても、時間が経つと逆に冷えが強くなっている方がいらっしゃいます。お風呂の習慣がある日本人に冷え性の方が多く、改善しないのは、冷えているから体を温めればいいという単純な話ではないからです。

 ご自身でできる冷え対策としては、ホッカイロや湯たんぽをうまく利用したり、白湯を飲む習慣をつけることなどもいいと思います。もちろん冷たい飲食物を避けたり、睡眠時間をしっかり確保することなども大切です。鍼灸施術で体の芯を温め、効果的な冷え対策を続け、温かい体づくりをしていきましょう。